
IT関連の人材派遣業ってどうなん?
「AI」「DX」といった言葉がニュースを賑わす中、それを支えるITエンジニアの不足が深刻化しています。そんな中、多くの企業に優秀なエンジニアを送り出し、急成長を遂げているのがジャパニアスです。
この記事を読めば、ジャパニアスがどんなビジネスで成長しているのか、そして今後の株価はどうなっていくのか、投資する上での注目ポイントまで、スッキリ理解できます。
「ジャパニアスって気になるけど、詳しく調べるのは大変…」そんなあなたも大丈夫。一緒に、ジャパニアスの実力をじっくり分析していきましょう!
企業概要とビジネスモデル
基本情報
銘柄名 | ジャパニアス株式会社 |
証券コード | 9558 |
業種 | サービス業 |
上場市場 | 東証グロース |
ビジネスモデル・収益構造
主な事業内容
ジャパニアスは、「先端エンジニアリング事業」 を行っている会社です。
具体的には、IT・通信業界や、自動車・家電などの「ものづくり業界」の企業に対して、専門的な技術を持つエンジニアを提供しています。事業の柱は以下の4分野ですが、近年は特にAIやクラウドといった最先端のテクノロジー領域に力を入れています。
- ソフトウエア: Webシステムや業務アプリケーションの開発など
- インフラ: ネットワークやサーバーの設計・構築、クラウド環境の構築など
- メカトロニクス(機械・電気): 自動車やOA機器の設計、品質評価など
- エレクトロニクス(電子): 電子回路やLSIの設計など
ビジネスモデル
収益の柱は、顧客企業にエンジニアを派遣する「オンサイト型開発支援」です。エンジニアの約9割が顧客企業に常駐し、プロジェクトに参加しています。
契約形態は主に「派遣契約」ですが、プロジェクト単位で業務を請け負う「請負契約」にも対応できる柔軟な体制が強みです。
ほかにも、自社内に「横浜開発センター」という受託開発拠点も持っており、ソフトからハードまで一貫して開発できる体制も整えています。
主な顧客層
顧客は大手メーカーやIT企業が中心です。2024年11月期の有価証券報告書によると、売上の7割以上を上場企業およびそのグループ企業が占めており、安定した顧客基盤を築いています。
また、売上高の約7割が取引年数5年以上の相手先からのものであり、安定した継続的売上があることが伺えます。
企業のビジネスに関するトレンド
ジャパニアスは、今後の成長戦略として「先端テクノロジー領域への注力」を掲げ、次の3つの分野に注力しています。
- 事業領域の拡大: 従来の領域に加え、AI、IoT、クラウド、CRM(顧客管理システム)といった、今後ますます需要が高まる分野への進出を加速させています。
- 人材の確保と育成: 成長の源泉であるエンジニアの採用を強化するとともに、研修センター「J-college」などで社員のスキルアップを促進し、より専門性の高いサービスを提供できる体制を構築しています。
- M&A戦略: M&Aや資本業務提携に向けた資金調達も実施しており、自社成長だけでなく、M&Aによる成長も視野に入れています。
属する市場の規模・成長性
市場規模、市場成長率
ジャパニアスの事業は、IT人材の需要に大きく依存しています。経済産業省の調査(「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」)によると、日本のIT人材不足は今後さらに深刻化し、2030年には最悪の場合、約79万人のIT人材が不足すると予測されています。
これは、DX(デジタルトランスフォーメーション)やAI活用の流れが加速する一方で、国内の労働人口は減少していくためです。
市場の特徴
- 深刻な人材不足: 多くの企業がIT化を進めたいのに、それを担う人材が足りていない状況です。
- 高い需要の継続: AIやクラウドなどの技術は日々進化しており、これらに対応できる先端IT人材への需要は、今後も継続的に高まっていくと考えられます。

要は、引く手あまたのITエンジニアを企業に紹介して成長してるんやな。日本中の会社が「誰か助けてー!」言うてるから、そら儲かるわ。時代の追い風に乗ってる会社や!
業績と株価の分析
業績推移と今後
過去5年実績と会社予想
決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 当期純利益(百万円) | EPS(円) |
---|---|---|---|---|
2021年11月期 | 7,243 | 341 | 275 | 69.7 |
2022年11月期 | 8,324 | 611 | 442 | 116.3 |
2023年11月期 | 9,885 | 836 | 616 | 155.5 |
2024年11月期 | 11,211 | 945 | 722 | 181.5 |
2025年11月期(予想) | 12,050 | 1,040 | 800 | 200.8 |
過去5年の成長率 | 13.6% | 32.2% | 30.6% | 30.3% |
順調順調!追い風にしっかり乗れている、成長中の企業という感じですね。
直近の伸び率がやや鈍化気味かな?それだけ少し気がかり。
直近決算のポイント(2025年11月期 第2四半期)
2025年7月7日に発表された2025年11月期 第2四半期決算では、非常に好調な結果が示されました。
- 増収増益: 売上高は前年同期比+6.5%、経常利益は+32.7%と大幅な増益を達成。
- 好調の要因:
- エンジニアの増員: 継続的な採用により、サービスの提供体制が強化されました。
- 単価の上昇: 高単価な案件へのシフトや、既存エンジニアの単価改定が進みました。
- 稼働率の改善: 待機期間の短縮など、きめ細かな営業活動が実を結びました。
- コスト管理: 効率的な採用活動により、採用関連費用を抑制できたことも利益を押し上げました。
まさに、「人と単価と稼働率」という成長のエンジンが力強く回転している様子がうかがえます。
PER推移と今後
PERの推移
ジャパニアスのPERは平均15倍くらい。11倍~20倍くらいのレンジ。
2025年8月20日現在だと11.0倍なので、レンジの下限に位置しています。トレンドとして成長が期待されていない分野ではないので、時価総額が小さく注目度が低いことが要因でしょうか。
業界平均との比較
プライム市場のサービス業の平均PERは29倍くらい。19倍~48倍くらいのレンジ。
関連する情報・通信業の平均PERは20.5倍くらい。12.8倍~28.7倍くらいのレンジ。
今後のPER水準の予想
単なる人材派遣ではなく、「AI」「クラウド」といった成長テーマに直結する事業を展開しています。
今後、AI関連銘柄としての注目度がさらに高まれば、市場からの評価も高まりも期待できると思います。
「株価=EPS×PER」からみた動きと今後の注目ポイント
株価(円) | 株価増減率 | EPS(円) | EPS増減率 | PER | PER増減率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
2022.9.16 | 1,800 | - | 97.3 | - | 18.5 | - |
2025.8.18 | 2,218 | 23.2% | 200.8 | 106.4% | 11.0 | -40.3% |
これまでの株価の増減(2021年⇒2025年)
- EPSは+106.4%
- PERは△40.3%
- 株価は+23.2%
うーんPERが見事に下がっていますね。
利益はしっかりと伸ばしているのに、市場がそれを織り込んでいない。バリューが高まっている状況とも言えます。
今後の注目ポイント
ジャパニアスは、深刻化するIT人材不足を追い風に、安定した成長を続ける優良企業です。今後の投資ストーリーを考える上での注目ポイントは以下の通りです。
- KPIの継続的なチェック: 会社の成長ドライバーである「エンジニア数」「稼働率」「一人当たり売上高」の3つのKPIが、四半期ごとに公表される決算説明資料で順調に推移しているか確認。
- 先端テクノロジー領域の伸び: 全体の売上に占める「AI」「クラウド」「CRM」といった新規領域の割合が、今後どのように伸びていくのか。
- M&A戦略の進捗: 発表されたM&A戦略が具体的にどのような形で進んでいくのか、今後のIR情報に注目です。
AIという巨大なテーマ性を背景に、着実な業績拡大を続けるジャパニアス。今後の成長ストーリーに期待して、長期的な視点で投資を検討してみてはいかがでしょうか。

当ブログに掲載している内容は、筆者の個人的な見解や経験に基づくものです。投資に関する最終的なご判断は、ご自身で十分にご検討のうえ、自己責任で行ってください。当ブログの内容によって生じた損失等については、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。



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