
訪問看護のSaaSって、これから伸びるんやろか?
高齢化社会が加速する中、「在宅医療」や「訪問看護」といったキーワードを耳にする機会が増えましたね。株式会社eWeLLは、まさにその領域で事業を展開する注目の成長企業です。
この記事では、eWeLLがどんなビジネスで成長しているのか、最新の業績などについて、IR資料を基に分かりやすく解説します。
この記事を読めば、eWeLLへの投資を判断するための重要なポイントがきっと見つかります。一緒にeWeLLの可能性を探っていきましょう!
企業概要とビジネスモデル
基本情報
銘柄名 | 株式会社eWeLL |
証券コード | 5038 |
業種 | 情報・通信業 |
上場市場 | 東証グロース |
ビジネスモデル・収益構造
eWeLLは、訪問看護ステーション向けの業務支援SaaS(Software as a Service) を開発・提供している会社です。主力製品は、クラウド型の「訪問看護専用電子カルテ iBow(アイボウ)」で、訪問看護の現場業務をデジタル化し、効率を上げるための様々な機能を提供しています。
具体的には、以下の2つのサービスを柱としています。
クラウドサービス
- iBow(電子カルテ): 看護記録の作成、情報共有、スケジュール管理などを一元化。
- iBow レセプト: 医療保険・介護保険の請求(レセプト)業務を自動化。
- AI訪問看護計画・報告書: 2024年から提供開始した新機能。AIが看護計画書や報告書の草案を自動作成し、書類作成業務を大幅に削減します。
- その他: 勤怠管理やeラーニングサービスなども提供しています。
BPaaS (Business Process as a Service)
- iBow 事務管理代行サービスの他: 専門知識が必要なレセプト請求業務などを代行するサービスです。
ビジネスモデル
eWeLLの収益モデルは、安定した収益が見込めるサブスクリプション型です。
主力サービス「iBow」の料金体系は、「月額基本料金」+「訪問1件あたりの従量課金」 となっています。
この料金体系のうまいところは、顧客である訪問看護ステーションの事業が成長し、訪問件数が増えれば増えるほど、eWeLLの収益も増加する「Win-Win」の関係が築ける点です。顧客の成功が自社の成長に直結する、非常に優れたビジネスモデルと言えるでしょう。
主な顧客層
主な顧客は、日本全国の訪問看護ステーションです。2025年6月末時点で、契約ステーション数は3,286件に達しており、業界内でのシェアを順調に拡大しています。
企業のビジネスに関するトレンド
eWeLLは、国の「地域包括ケアシステム」構築という追い風を受けながら、AI技術の活用とマルチプロダクト戦略でさらなる成長を目指しています。
- AI技術の積極活用: 2024年にリリースした「AI訪問看護計画・報告」機能に続き、2025年7月には訪問スケジュールとルートを自動作成する「AI訪問予定・ルート」機能の無料提供を開始しました。これにより、看護師の業務負担をさらに軽減し、生産性向上に貢献します。
- マルチプロダクト戦略: 電子カルテだけでなく、レセプト、勤怠管理、研修、事務代行、そして地域医療連携プラットフォーム「けあログっと」など、訪問看護ステーションの運営に必要なサービスを網羅的に提供することで、顧客単価の上昇と解約率の低下を図っています。
属する市場の規模や成長性など
- 市場のトレンド
2025年には、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、医療・介護の需要がさらに増大する「2025年問題」が目前に迫っています。国は医療費抑制のため、在宅医療へのシフトを推進しており、訪問看護の重要性はますます高まっています。厚生労働省「社会医療診療行為別統計」で在宅医療の診療回数を見てみると、平成28年データでは401.5万回、令和6年データでは626.5万回と約1.5倍に伸びています。
- 市場成長率
訪問看護ステーションの数は年々増加傾向にあります。一般社団法人全国訪問看護事業協会「訪問看護ステーション数 調査結果」によれば、2025年4月1日時点のステーション数は18,754箇所と、10年前よりも2倍超となっており、年平均だと約10%の成長率と驚異の成長率ですね。 - 市場の特徴
訪問看護ステーションの多くは小規模事業者であり、IT化が遅れているケースも少なくありません。そのため、導入しやすく、サポート体制が充実したサービスが求められる傾向にあります。 - 主な競合
同業他社にも同様のサービスは存在しますが、eWeLLは看護師でもある社長の現場経験を活かした使いやすさと、手厚いサポート体制で高い評価を得ています。 - 企業のポジション
iBowは、訪問看護に特化した電子カルテとして高いシェアを誇り、業界のリーディングカンパニーとしての地位を確立しています。

訪問看護って、これからますます大事になるんやな。ワイも家で看てもらいたいわ。eWeLLは、その現場を助ける縁の下の力持ちってわけか。ええ仕事してるやん!
業績と株価の分析
業績推移と今後
過去5年実績と会社予想
決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 当期純利益(百万円) | EPS(円) |
---|---|---|---|---|
2020年12月期 | 791 | 203 | 185 | 14.7 |
2021年12月期 | 1,193 | 403 | 340 | 27.0 |
2022年12月期 | 1,603 | 676 | 450 | 33.6 |
2023年12月期 | 2,070 | 911 | 613 | 43.1 |
2024年12月期 | 2,572 | 1,136 | 808 | 53.8 |
2025年12月期(予想) | 3,349 | 1,494 | 1,040 | 68.3 |
過去5年の成長率 | 33.5% | 49.1% | 41.2% | 36.0% |
超高成長企業!過去5年間での平均成長率は36%を超えており、市場規模の増加率以上に利益が伸びています。
市場規模の拡大と、DX化の推進が良い具合にマッチしている感じです。
直近決算のポイント(2025年12月期 第2四半期)2025.8.14更新
- 売上高: 16.0億円(前年同期比 +33.0%)
- 営業利益: 7.8億円(前年同期比 +49.2%)
主力サービス「iBow」の契約件数が順調に増加したことに加え、AI関連サービスやBPaaS(業務代行)といった付加価値の高いサービスが力強く成長を牽引しました。また、一部の投資が下期に計画されていることもあり、利益が想定を上回って着地しています。
通期の上方修正はありませんが、一部投資がさらに今後の成長を加速するなら良し。まだまだ期待できそうです。
PER推移と現状
PERの過去推移
eWeLLの平均PERは45倍前後です。大体29倍~61倍くらいのレンジ。現在は34.3倍と、過去水準の中では低めの位置にあります。
上場したてのころに比べて低くなっており、新興企業の評価が適正になってきた感覚がありますね。
業界平均との比較
情報・通信業(グロース市場)の平均PERは200倍超と、参考になるのかならないのかという水準。
それに比べたら、eWeLLのPERは低めですが、これはグロース市場が割高すぎ?
参考にするとしたら、スタンダード市場の平均PER40倍、プライム市場の平均PER20倍が目安でしょうか。ちょうど中間点くらいに位置していますから、いずれ市場変更するくらいに成長期待がある、とも言えますかね。
今後のPER水準の予想
超高成長な企業であるにも関わらず、PERは適正水準。まだ上場してから数年程度しかないこと、訪問看護市場の成長期待も含めれば、今後のPERは微増すると考えます。
まとめと今後の投資ストーリー
株価(円) | 株価増減率 | EPS(円) | EPS増減率 | PER | PER増減率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
2022.9.30 | 1,857 | - | 26.4 | - | 70.3 | - |
2025.8.1 | 2,385 | 28.4% | 69.6 | 163.6% | 34.3 | -51.3% |
今後の予想 | 3,240 | 35.8% | 90.0 | 30.0% | 36.0 | 5.0% |
これまでの株価の増減(2022年⇒2025年)
- EPSは+99.4%
- PERは-35.6%
- 株価は+35.8%
今後の注目ポイント
今後の投資ストーリーを考える上で、注目すべきポイントはこれ!
- EPSの継続的な成長: 会社予想通り、年30%近いEPS成長を継続できるかが最大のポイントです。四半期ごとの業績進捗を注視しましょう。
- KPIの動向:
- 契約ステーション数: シェア拡大のペースを確認します。特に大手顧客の獲得が続くかに注目です。
- 顧客単価(ARPU): AIサービスやBPaaSのアップセルにより、単価が順調に上昇しているかを確認します。
- 解約率: 顧客満足度の高さを測る指標です。低い水準を維持できるかが重要です。
- AIサービスの進捗: 「AI訪問予定・ルート」の有料化に向けた導入状況や、顧客からのフィードバックが今後の成長期待を左右します。2025年末のアップセル率目標15%の達成に注目です。
投資ストーリー
eWeLLへの投資は、「日本の社会課題解決に貢献する企業の成長に乗る」というストーリーになります。訪問看護業界のDX化はまだ道半ばであり、eWeLLの成長余地は非常に大きいと考えられます。AIサービスの成功により、市場評価がさらに高まることも期待したいですね。
下期は成長投資を加速する計画ですが、これにより来期以降のさらなる成長基盤が築かれることに期待。

威勢がええこと言っとるな! でも、ちゃんとリスクも考えとかんとアカンで。世の中、何が起こるか分からんからな。石橋を叩いて渡る慎重さも大事やで。
当ブログに掲載している内容は、筆者の個人的な見解や経験に基づくものです。投資に関する最終的なご判断は、ご自身で十分にご検討のうえ、自己責任で行ってください。当ブログの内容によって生じた損失等については、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。


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