業種別PERで「いまの位置」を見る【2025年9月更新】

2025年8月10日 2025年9月1日

個別銘柄が割高なのか割安なのか、いまいち分からん…

そんな時は業種別のPERが参考になります！

PERは個別銘柄の体温計。いまの株価が利益に対して高いか安いかを手早く測れる指標のひとつです。ただし“平熱”は業種ごとに違います。

そこでこの記事では、日本証券取引所が公表しているデータを用いて業種別のPERを紹介し、個別銘柄の分析に役立つ「業種の平熱」というものさしを用意します。

個別銘柄のPERだけで判断せず、同業種の水準と並べて“いまどの位置か”を確認するための参考情報として、自分のためにまとめます。

そもそも【PER】って何だっけ？ざっくり解説！

PER（株価収益率）は、株価が「1株利益（EPS）」の何倍かを表す倍率です。

計算式：PER＝株価÷１株あたり純利益

PERが具体的に何を示しているかについては、ざっくり次のとおり。

詳しくはこちらの記事で解説！

数字が低ければ割安に、数字が高ければ割高に見えやすいのが基本ですが、絶対値だけでの判断は禁物。

設備投資が重い業種、景気に大きく振れる業種、安定収益のディフェンシブ業種では「平熱」が違います。だからこそ、銘柄単体のPERを見るときには、業種別のPERも確認するのが王道です。

使うデータは、日本取引所（JPX）が公表している業種別PER。

毎月の業種別集計をもとに「いまの業種の平熱」とのズレを見ます。

最新の数値を見るだけでなく、過去データも見ながら「今は過去の水準に比べて高いのか、低いのか」も見ておくと、景気や金利の局面の影響を折り込んだ判断がしやすくなります。

ここからは過去10年分のデータを使って、業種別のPERを解説します。

業種	最新データ 2025.8	平均値	標準偏差（σ）	平均値-σ	平均値+σ
01 総合	17.2	17.6	2.7	14.9	20.4
02 水産・農林業	11.3	15.1	3.7	11.5	18.8
03 鉱業	7.1	29.9	32.7	-2.9	62.6
04 建設業	14.4	12.4	2.7	9.7	15.1
05食料品	25.6	21.9	3.0	18.9	24.8
06 繊維製品	18.7	25.6	11.6	14.0	37.2
07パルプ・紙	16.9	24.6	25.3	-0.7	49.8
08 化学	17.9	20.2	4.2	16.0	24.3
09 医薬品	23.4	29.5	4.1	25.4	33.6
10 石油・石炭製品	11.9	8.2	4.2	4.0	12.4
11 ゴム製品	14.7	19.2	22.9	-3.8	42.1
12 ガラス・土石製品	33.2	18.8	5.8	13.0	24.5
13 鉄鋼	10.2	11.1	6.3	4.8	17.4
14 非鉄金属	20.3	17.3	10.2	7.1	27.5
15金属製品	16.7	19.1	4.4	14.7	23.4
16 機械	20.6	20.6	5.6	15.1	26.2
17 電気機器	23.5	24.3	5.3	19.0	29.7
18 輸送用機器	12.1	13.8	4.5	9.3	18.2
19 精密機器	26.0	30.8	11.0	19.8	41.8
20 その他製品	32.8	25.0	6.0	19.0	31.0
21 電気・ガス業	7.3	13.7	8.5	5.2	22.2
22 陸運業	12.8	23.5	20.1	3.3	43.6
23 海運業	4.6	7.7	4.8	2.9	12.5
24 空運業	10.8	13.4	5.6	7.9	19.0
25倉庫・運輸関連業	16.2	16.3	5.8	10.4	22.1
26 情報・通信業	22.0	20.8	7.9	12.9	28.7
27卸売業	12.8	13.2	5.7	7.5	19.0
28小売業	29.3	30.0	7.7	22.4	37.7
29 銀行業	14.2	10.7	2.1	8.6	12.8
30 証券、商品先物取引業	12.1	17.2	16.0	1.3	33.2
31 保険業	10.8	13.9	4.6	9.3	18.5
32 その他金融業	13.1	12.5	2.4	10.1	14.9
33 不動産業	14.6	16.3	3.8	12.5	20.0
34 サービス業	32.4	34.0	14.1	19.9	48.2