
三井E&Sって、昔は造船のイメージが強かったけど、今は何で稼いでいるんだろう?…
最近、株価が好調みたいだけど、今後の成長性ってどうなのかな?
この記事では、そんな疑問をお持ちの方に向けて、三井E&Sのビジネスモデルや業績を分かりやすく解説します。
かつての「三井造船」から、事業ポートフォリオを大きく転換させた三井E&S。その変革の軌跡と、今後の成長の可能性を一緒に考えていきましょう。
企業概要とビジネスモデル
基本情報
銘柄名 | 三井E&S株式会社 |
証券コード | 7003 |
業種 | 機械 |
上場市場 | 東証プライム |
ビジネスモデル・収益構造
主な事業内容
三井E&Sは、祖業の造船事業を大幅に縮小し、現在は舶用エンジンと物流システムを収益の柱とする企業へと変貌を遂げました。2025年3月期の実績では、舶用推進システム事業と物流システム事業で全体の約8割を占めています。
- 舶用推進システム事業: 世界シェアトップクラスを誇る舶用ディーゼルエンジン(MANエナジーソリューションズ社との提携)の製造・販売・アフターサービス。
- 物流システム事業: 港湾でコンテナを効率的に運ぶためのコンテナクレーンの製造・販売。
- その他: プラントエンジニアリング、艦艇事業など。
収益モデルと収益構造
これらの事業は、エンジンやクレーンを販売して終わりではありません。納入後も、定期的なメンテナンスや部品交換が必要となるため、安定的かつ継続的なストック収益を生み出す、非常に強固なビジネスモデルを構築しています。。
主な顧客層
- 国内外の海運会社
- 港湾運営会社
企業のビジネスに関するトレンド
この市場の最大の特徴は、今まさに「脱炭素化」という歴史的な大変革期を迎えていることです。国際海事機関(IMO)は、船舶が排出する温室効果ガスの規制を年々強化しており、海運業界全体で、従来の重油に代わる次世代燃料への転換が急務となっています。
この流れの中で、未来のゼロエミッション燃料として大きな注目を集めているのがアンモニアです。そして三井E&Sは、このアンモニアを燃料とする大型舶用エンジンの開発に、世界で初めて成功しました。これは単なる新製品開発にとどまらず、未来の海運業界のスタンダードを握る可能性を秘めた、とてつもない技術的アドバンテージです。
属する市場の規模や成長性など
市場規模、市場成長率
- 舶用エンジン市場: 世界の海上輸送量の増加に伴い、堅調な成長が見込まれます。特に、環境対応エンジンの需要は今後さらに高まると予想されます。
- コンテナクレーン市場: 新興国の経済発展や世界的なコンテナ取扱量の増加を背景に、安定した需要が期待されます。
市場の特徴
- 高い参入障壁: 舶用エンジンや大型クレーンの製造には、高度な技術力と長年の実績、大規模な設備が必要なため、新規参入が非常に難しい市場です。
- 脱炭素化への大変革期: 世界的な環境規制の強化により、海運業界ではCO2を排出しない次世代燃料への転換が急務となっています。中でもアンモニアは、未来のゼロエミッション燃料として大きな注目を集めています。
- 技術的優位性: 三井E&Sは、このアンモニアを燃料とする大型舶用エンジンの開発に世界で初めて成功しました。この技術的アドバンテージは、今後の市場において圧倒的な競争優位性となる可能性があります。
主な競合
舶用エンジン: 現代重工業(韓国)、斗山エンジン(韓国)など。
コンテナクレーン: ZPMC(中国)、カーゴテック(フィンランド)など。

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業績と株価の分析
業績推移と今後
過去5年実績と会社予想
決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 当期純利益(百万円) | EPS(円) |
2021年3月期 | 663,834 | -12,243 | 134 | 1.7 |
2022年3月期 | 579,363 | -10,029 | -21,825 | -269.9 |
2023年3月期 | 262,301 | 9,376 | 15554 | 177.5 |
2024年3月期 | 301,875 | 19,630 | 25,051 | 255.7 |
2025年3月期 | 315,112 | 21,130 | 39,074 | 395.4 |
2026年3月期(予想) | 340,000 | 24,000 | 20,000 | 198.2 |
過去5年の成長率 | -12.53% | 214.41% | 172.14% | 159.02% |
業績推移を見ると、2022年3月期の赤字から劇的なV字回復を遂げていることが分かります。これは、不採算事業だった造船事業から撤退し、高収益な主力事業に集中した成果の表れです。
直近決算のポイント
舶用推進システム、物流システムの両事業が好調で、前年同期を上回る増収増益を達成しました。豊富な受注残高を背景に、会社は通期の業績予想を据え置いており、業績の安定感が増しています。
PER推移と今後
PERの推移
三井E&SのPERは平均20倍くらい。10倍~40倍くらいのレンジですね。
2025年8月7日現在だと19.1倍なので、今は平均くらいの水準。
急騰する前の今年前半ではPER3~5倍だったことを考えると、正直今は割高感があるように思いますが、まだまだ伸びしろも感じるところ。
業界平均との比較
プライム市場の機械の平均PERは21倍くらい。15倍~26倍くらいのレンジ。
今後のPER水準の予想
先ほど解説したアンモニアエンジンに代表される「海の脱炭素」という巨大な成長テーマ性があることを考えると、せめて業種平均くらいには落ち着くかと思います。近年の超割安水準から脱却したあとは、素直な業績相場。
「株価=EPS×PER」
株価(円) | EPS(円) | PER | ||||
2021.8.6 | 504 | (増減率) | 37.1 | (増減率) | 13.6 | (増減率) |
2025.8.7 | 3,795 | 653.0% | 198.2 | 434.2% | 19.1 | 40.9% |
今後予想 | 5,108 | 34.6% | 297.0 | 50.0% | 17.2 | -10.0% |
これまでの株価の増減(2021年⇒2025年)
- EPSは+434.2%
- PERは+40.9%
- 株価は+653.0%
今後1~2年の株価予想
- EPSは+50.0%(事業再編による成長を期待)
- PERは-10.0%(割高感が多少解消されるのでは?として控えめに)
- 株価予想は+34.6%
今後の注目ポイント
- EPS:港湾クレーンの受注高増があるなかで、今の会社予想は控えめすぎでは?期待を込めて+50%。毎期の受注高に注目ですね。
- PER: やっぱり直近の超割安水準に比べると、少し割高感がある。注目度が下がることを考えて-10%と予想しました。

赤字からV字回復して、絶好調やないか!このまま右肩上がりで頼むで。未来は明るそうやけど、高値掴みには注意せなあかんで!
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