
「国策に売り無し」って聞いたことあるけど、何を見たらいいの?
前回の国土交通省、農林水産省に続いて、今回は文部科学省の予算概算要求と関連銘柄をじんわり解説します!
「国策に売り無し」のど真ん中を行く銘柄を調べながら、気になった銘柄は今度じっくりと深堀してみていきたいと思います。

速報性が全くない記事やな!でも業績に影響あるのはこれからやけん、許したるわ。
文部科学省のR8予算概算要求のポイント
文部科学省のR8年度予算要求は、一般会計で総額6兆599億円(前年度当初比+10.0%)となりました。
内容を見る中で、個人的に気になったのは次の政策。
- 学校の大規模更新(ZEB・防災):公立2,066億円(前年691億円)へ大幅増。設備更新が一斉に走る
- 教育DXの第二幕(端末更新+校務クラウド+生成AI+CBT):各科目が増額、数量が見える需要が並走
- 科学技術(AI for Science+大型研究施設):355億円(+166億)、大型施設791億円(+300億)で研究設備・ソフト・部材が伸長
テーマ① 学校の大規模更新(ZEB・防災)
今年の施設関連は、まず“桁”が違います。公立学校施設の整備は2,066億円(前年691億円)に大幅増、私学も351億円(91億円)へ、国立大学・高専も771億円(364億円)へと揃って積み増し。加えてRC校舎の標準単価を+16.6%引き上げ、見積単価そのものが上がる設計です。
中身は、断熱・LED・高効率空調・センサー/BEMSの省エネ(へらす)に、屋根置き太陽光+蓄電(つくる)を重ねるZEB化。それと並行して、天井・吊り照明・外壁の落下対策、配電更新、トイレの洋式化、バリアフリーなど防災・安全の一斉更新が走ります。避難所機能の強化という大義もあり、太陽光+蓄電の採択が進みやすい環境です。
この政策が企業の“売上”になる道筋はシンプルです。省エネ機器の更新、太陽光・蓄電のEPC、照明の一括更改、そして大規模改修に不可欠な足場——案件数×単価の同時押し上げが起きます。ここは“面”で提案できる企業ほど強い。
- ウエストホールディングス(1407)――再エネEPC/O&M。学校ZEBの「太陽光+蓄電」を自家消費型でセット提案。避難所の非常電源ニーズとも合致。。
- 遠藤照明(6932)――業務用LED照明・制御。体育館・教室のLED更改+調光制御。標準単価見直しで単価×件数が積み上がる局面。
- タカミヤ(2445)――仮設機材(足場)。耐震・外壁改修の足場需要を直取り。公共工事の安全・品質要件に強み。
テーマ② 教育DXの第二幕
端末更新は、投資家にとって“読める”テーマです。都道府県に設けた基金から5年間、同条件(補助基準5.5万円/台、予備機15%、補助率2/3)で支援するため、県単位の共同調達でロットが大きいうえ、保守点検のストック収入も期待できます。
同時に、クラウド前提の「校務DX」を県域共同利用に誘導。帳票統一、RFP作成支援、技術相談窓口の常設、セキュリティガイドラインの改訂まで、国が実務部分に踏み込んでいます。
MEXCBT(文科省CBT)は運用・改善を強化し、令和9年度の全国学力調査「全面CBT化」を見据えてサンプル問題の搭載まで進めます。
- EduLab(4427)――CBT/学力測定プラットフォーム。MEXCBT・自治体CBTの採用前倒しでIDと案件が積み上がる。R9「全面CBT化」前の受注の山場。
- デジタルアーツ(2326)――Webフィルタ/情報漏えい対策。端末更新×ガイドライン改訂が同時に走り、フィルタ・ゲートウェイの更改需要が波状に発生。
- 内田洋行(8057)――教育ICTのSI/什器。県基金の大型共同調達(端末・校務クラウド)で全国規模のSI・保守を直取りできる体制。
テーマ③ AI for Science+大型研究施設:種まき済み、芽吹き前。受注残で“腰を据える”
研究投資は、一拍置いて効いてくる分野。だからこそ、今年の増額は見逃せません。
AI for Scienceは355億円(前年189億円から+166億円)に拡大。ライフ・材料など分野特化のAI基盤モデル(TRIP‑AGIS)、富岳NEXT・HPCI・SINETの次世代基盤、ロボティクス×計測×データで進める“実験DX”(自動・自律・遠隔化)まで、三位一体で整備します。
大型研究施設は、3GeV放射光のNanoTerasu、SPring‑8/SACLA(SPring‑8‑Ⅱは補正で本格始動)、J‑PARCなど、合計791億円(前年491億円から+300億円)。マテリアルDXは100億円(前年83億円)で、先端分析装置の共用+データ化(ARIM)が本格運用へ。装置→データ→AIの循環が、今年はっきり見える配置です。
- HPCシステムズ(6597)――PC/AIサーバの設計・SI。研究機関のHPCI・AI基盤更改が前倒し。GPU調達〜実装まで一気通貫で受けやすい。
- フィックスターズ(3687)――並列最適化/GPU活用ソフト。富岳NEXTや研究AI基盤の“効率化の心臓”。装置投資に先行してソフト収益が乗る構造。
まとめ:一般家庭の投資でも取れる“政策ドリブン”の型
短期の“数字が立つ”のは、学校の大規模更新と端末更新。
中期の“厚みが出る”のは、校務DXのクラウド・生成AIと、AI for Science+大型施設。ポートフォリオは「施設大口」「教育SaaS/CBT」「研究設備・ソフト・部材」。
これらのテーマについて、時間軸をずらして回すのが、一般家庭ができる中長期投資での現実解だと考えます。
今回ご紹介した企業は、いずれも国策の強力な後押しを受け、安定した需要と大きな成長が見込まれる銘柄ばかりです。
もちろん投資に「絶対」はありませんが、「国策に売り無し」という格言が示すように、政府が本腰を入れて推進する分野は、これからEPS・PERともに上昇が期待できるものばかり。
ぜひとも今後も注目したいですね!

最後に一言。予算は“道筋”、売上は“実装”。KPIを追うクセが、億り人への近道やで〜
当ブログに掲載している内容は、筆者の個人的な見解や経験に基づくものです。投資に関する最終的なご判断は、ご自身で十分にご検討のうえ、自己責任で行ってください。当ブログの内容によって生じた損失等については、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。



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